突然ですが、『ファイアボール』をご存知ですか?
『ファイアボール』とは、ウォルト・ディズニー・ジャパンが制作したテレビアニメで、ディズニー初、日本国内で日本人スタッフによって製作されたアニメーションです。
主人公はドロッセルというドロイド。
彼女はフリューゲル家のお嬢様だそうです。
もう一人(一体?)登場するキャラクターは、執事のゲデヒトニス。
主にこの二人の対話形式でアニメは展開していきます。
この『ファイアボール』なんですけど、どう見てもディズニーっぽくはありません。
私自身、ずっと食わず嫌いをして観たことがありませんでした。
ところが先日『ファイアボール最終章配信』のニュースが飛び込んできました。
するとTwitterのタイムライン上で『ファイアボールがいかに面白いか』を語るツイートを目にするようになり。
ディズニープラスでも配信されているので、じゃあ観てみようじゃないのと全エピソード一気見しました。
結果、ハマりました。
『ファイアボール』の面白さについては、語っている記事がたくさんあるのでここでは割愛したいと思います。
ここは心理学ブログなので、ドロイドの世界である『ファイアボール』の中に見えた心理学について書いていきたいと思います。
「シャーデンフロイデ」って何?
『ファイアボール シーズン1 第8話』に、「シャーデンフロイデ」という単語が出てきます。
ドロッセルのお父さまの椅子? に腰掛けようとするとなぜか弾き飛ばされるドロッセルが描かれ、その椅子の中からは猿のような鳴き声がします。
その猿のようなものにドロッセルは「人類が獣に付ける名前のパターンはわずか128種類よ」と言い放ち、ポチだのタマだの名付けようとします。
そこに出てくる一つがこの「シャーデンフロイデ」です。
「シャーデンフロイデ」とは、ドイツ語で「人の不幸は蜜の味」という意味です。
「人の不幸は蜜の味」、他人の不幸を喜ぶなんて最低ですよね。
あまり良いイメージの言葉ではありません。
ところがこのシャーデンフロイデ、全ての人間の脳に元々備わっているんです。
つまり、全ての人類が、周囲と自分を比べ、自分より不幸な人に対し喜びを感じるようにできているのです。
これを読んでいるあなたももちろんそう。
身に覚えがありませんか?
友人知人から、仕事がうまくいかない、恋人と別れた、お金がないなど悩みを聞かされると、少しうれしい気持ちになることはありませんか?
それが「シャーデンフロイデ」です。
世間を見ていても、それは如実に現れています。
芸能人の不倫や不祥事が、ネット上で炎上し、Twitterにトレンド入りするのも、シャーデンフロイデが働いていると考えられます。
人間はポジティブよりもネガティブに反応しやすいという特性もありますが、自分よりも不幸な人を見つけて安心したいのです。
赤の他人である芸能人を晒し上げ、少しの落ち度でも叩く行為は正義でも何でもなく、自分がその人よりも不幸であることを認めたくないからでしょう。
シャーデンフロイデに捉われないようにするには?
人の不幸に幸せを感じていては、自分はいつまでも成長しないし幸せにはなれません。
自分の脳のシャーデンフロイデに捉われないようにするには、自分にシャーデンフロイデが働いていることを自覚することです。
身近な人や芸能人の不幸な出来事を見て、安心している自分に気づくことです。
そして、それと自分を切り離し、自分は自分として成長していくことに注力することだと思います。
他人と自分を比べない人は、健全で幸福度が高いですからね。
ドロッセルがこの意味を知っていて使ったのかは分かりませんが、脳を持たないドロイドであるドロッセルがこの言葉を使うのは、なかなか皮肉だなと思いました。
ちなみにシャーデンフロイデ、これです↓
最後までご覧いただきありがとうございました。