ディズニーにショーは欠かせない
あなたは、ディズニーのパークに行ったとき、ショーを観ますか?
現在、新型コロナウィルスの影響で、国内外問わず、ディズニーパークのエンターテイメントは厳しい状況に追い込まれています。
先日は、オリエンタルランドに所属する出演者の解雇など、心が痛むニュースもありました。
しかし、ディズニーパークに足を運んだことがある方なら分かると思います。
ディズニーランドにショーやパレードって不可欠です。
感動は無機質なロボットではなく、生身の人間が作るんだ、ということをまざまざと見せつけらるのが、ライブエンターテイメントです。
ディズニーパークでのエンターテイメントがまた以前のように再開されることを望みつつ、心理学ブログらしく心理学の視点で見ていきます。
計算しつくされた上演時間
さて、あなたはディズニーパークで上演されているショーの公演時間のほとんどが25分間であることをご存知ですか?
それ以上長いものもありますが、基本的には25分で作っているそうです。
その理由を、わたしは子供の頃何かの本で読みました(出典失念)。
ショーの製作者の方のインタビューに、「ディズニーランドのショーは25分間である。これは、人間が飽きずに観ていられる最長の時間です。」とあったんです。
大人になって心理学を勉強し、これがポモドーロ・テクニックと繋がっており、非常に理にかなった賢い戦略であると分かりました。
ディズニーさすがですよ、ほんと。
ポモドーロ・テクニックとは
1980年代に、イタリアのフランチェスコ・シリロによって考案された、人の集中力を管理する技術です。
具体的には、25分間集中し、5分休む。
タイマーを使って、この流れを繰り返します。
徹底的に集中する時間と、脳を休める時間のメリハリをつけるためです。
ポモドーロ、というおいしそうな名前がついているのは、シリロさんがトマトの形のキッチンタイマーを使っていたからだそうです。
人間の集中力には個人差があるので、もともと持っている集中力が15分の人もいれば90分の人もいます。
このポモドーロ・テクニックを用いることで、徐々に集中の時間を延ばしてくこともできるそうです。
ちなみに、集中力と記憶力は脳の同じ部位を使っているので、集中力を鍛えれば同時に記憶力も鍛えられることになります。
一石二鳥!
さらに、読書や勉強などで学んだことが脳に定着するのは、集中しているときではなく、何も考えていないときです。
ですので、ポモドーロ・テクニックを用い、25分勉強し5分間目を閉じて脳を休ませるようにすると、記憶の定着にも効果が高いと言えます。
ショーにベストな上演時間
ディズニーパークには様々な人が訪れます。
小さな子供もいます。
90分のショーを飽きずに観られる人もいるかも知れませんが、じっと座っていることも難しい人もいるかも知れません。
そのすべての観客の満足度を高めるためにディズニーが出した一つの答えが、「上演時間25分間」だったのではないでしょうか。
さらにこの25分間という時間、もう一つの効果も生み出しているんです。
ディズニーパークのショーって、内容が濃くストーリー仕立てになっているものが多いので、熱中して観ていると25分間があっという間で、「あれ、もうエンディング?」となるものが多いんです。
もうちょっと観ていたかった、もう一度観たい、とお客さんに思わせることができます。
つまりこれは、以前の記事にも書きました、ツァイガルニク効果が生じていると思われます。
人間が集中していられる25分間は、絶妙に物足りない、絶妙におなか一杯にさせない、計算しつくされた時間だったのです。
となると、当然ながらそれはリピーターに繋がります。
ビジネスとしては大成功です。
余談ですが…
ショーに関して、個人的に好きなエピソードがあります。
いつ頃の話かは失念しましたが、アナハイムのディズニーランドができた頃、ウォルト・ディズニー社が、ショーで使うダンサーの衣装を外注したところ、そのあまりの数の多さに衣装製作の会社から、
「一体何時間のショーをやるつもりだよ!」
とキレられたそうです。
この話ほんと好き。
ディズニーのショーって、飽きさせないために場面展開が多く、ダンサーさんもキャラクターも何着も着替えますもんね。
妥協しようと思えばいくらでもできてしまうと思うんです。
でもそれをせず、ゲストのために完璧にいいものを作ろうとしてくれる、その姿勢にわたし達は感動し、また足を運ぶのでしょうね。
冒頭にも書きましたが、今はとてもつらい時期。
また才能あふれる出演者や製作者の方によって、素晴らしいエンターテイメントが観られるときが来るのを、楽しみにしたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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